研究課題
1)本研究の最終年度に当たる本年度の研究主眼は、(1)未収集のシラバス・データを収集すること、(2)これまでに収集してきた資料のデータベースを拡充したうえで、それらを解読すること、(3)昨年度末に実施した社会学担当の大学教員に対する質問紙調査のデータを分析すること、(4)それらのデータ解読・分析に基づいて、参加者が研究論文を仕上げ、それをまとめて研究報告書を刊行すること、の4点におかれた。2)当初予定していたシラバス調査対象大学のうち、これまで未収集であった関西大学の関係者と連絡を取ることができ、研究分担者二名が先方に出向いて、当大学の1965年から2009年度までの社会学関連講義要綱のコピーを作成した。これで当初の予定通り、国公立大学11校、私立大学14校のシラバス・データが揃ったことになる。3)社会学教員の質問紙調査に関しては、まず単純集計結果の読み込みから始め、次いで各自の関心に合わせてクロス集計をとり、分析に着手した。4)途中、数度の研究会での議論を経て、夏休み明けまでに、各自が報告書用の第一次原稿を作成し、出来上がった原稿をもとに、休み明けの10月に合宿研究会を実施し、そこでの集中的な議論を経て、2010年1月末に各自の原稿を仕上げ、3月10日、研究成果報告書『知の構造変動に関する理論的・実証的研究』(本分137頁+資料52頁)を刊行した。5)研究成果報告書には、本研究の社会学的意義について論じた総論的論文、主としてシラバス・データに基づきながら、1965年以降の伝達される社会学知の変化について、その全体的動向、社会学史科目、外書講読科目、社会学概論に着目した5論文、質問紙調査に基づきながら、社会学教育と研究に対する態度の変化、社会学の教育・研究の専門分野と社会学研究の広がりに着目した2論文の計8論文が収められている。