研究課題/領域番号 |
19330122
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研究機関 | 松山大学 |
研究代表者 |
山田 富秋 松山大学, 人文学部, 教授 (30166722)
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研究分担者 |
蘭 由岐子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50268827)
種田 博之 産業医科大学, 医学部, 講師 (80330976)
南山 浩二 静岡大学, 人文学部, 教授 (60293586)
横田 恵子 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (50316022)
好井 裕明 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (60191540)
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キーワード | 血友病 / 薬害エイズ / 自己注射 / WFH / インタビュー / TS(トランスクリプト) / 医師と患者 / HIV感染 |
研究概要 |
平成20(2008)年度の研究実績は以下の通りである。 (1) これまで収集した医師と患者のインタビュー・トランスクリプト(TS)について、公開可能な形式で匿名化をほどこし、資料として残す場合の条件等について、対象者に個別にあたって同意を取り付けることに成功した。その結果、インタビューのTS調査資料集として公開することが可能になったが、これについては次年度の実績として報告する。 (2) 世界的な視野での血友病者の運動を考えるため、平成20年6月にトルコ国イスタンブールで開催された世界血友病者連盟(WFH)の国際会議に研究代表者が出席した。そこで各国の血友病者の団体と意見交換し、血友病の診断がまだつかないうちに、患者が亡くなっていくような状況の国々が数多く存在すること、さらに、薬害エイズの拡大の原因となった自己注射についても、未導入の国があることなど、新たな知見を得た。また、エイズの治療については、HIV感染とC型肝炎を同時に患っている場合、治療効果が悪くなる点についても、最近の知見を得た。 (3) この調査の期間に蓄積した医師と患者のTSに基づいて、これまでマスコミによって流布されていた理解をくつがえすような論考を発刊することができた。(桜井・山田・藤井編『過去を忘れない』2008年、せりか書房)特に、エイズについて確定した情報がなかった時代において、患者も医師もてさぐりの状態であったこと、また、HIV感染を患者に知らせる場合でも、「非告知」という原則が実践されていたわけではなく、状況に応じてさまざまなかたちが取られていたことがわかった。
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