本研究の目的は、日系ブラジル人児童を中心とした多文化保育の現状と課題を、多角的な視点から明らかにすることである。その際、外国人児童の中でも近年特に増加している日系ブラジル人を主たる対象としていく。 本研究では(1)日本国内における調査に加え(2)ブラジルにおける子どもの保育を検討することで、その現状と課題を明らかにすることにある。 具体的にはブラジル調査では(1)日系、イタリア系、ドイツ系など多文化保育を行っている幼稚園を対象にした調査を行い、日本における多文化保育の特徴を浮き彫りにする。さらにブラジルに在住している日系ブラジル人の子育ての現状や意識を明らかにすることで、彼らが望む保育環境とは何かを探る。 日本国内の調査では、(3)日系ブラジル人が集住している地域を対象として、保育所やブラジル人託児所の実態を明らかにする。また国内において先進的な取り組みをしている保育所を調査することで、望ましい多文化保育のあり方を探る。さらにそれらの調査を通して、子どもだけでなく、家族にとって、保育がどのような役割を果たしているのか、果たすことが出来るのかといった家族支援の実態についても、検討したいと考えている。
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