研究課題
基盤研究(B)
就労・家族生活における変動(events)に向き合う主たる姿勢・行動は、「自己防衛」「個別的奮闘」あるいは「個別的抵抗」であり、状況・問題の「社会化」がまれなことが、住民たちの言説において明らかになった。個人的対応こそが、スパイラルに貧困(化)をすすめ(健康悪化を含む)、そこでは家族はしばしば重い「拘束」「負担」となり、貧困の防波堤にはなっていない。他方、安定的な、かつポジティブなアイデンティティの形成は、労働ではなく、包括的な社会制度(失業対策事業・生活保護など)によって可能となっている。
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熊本学園大学社会福祉研究所報 第38号
ページ: 65-97