人間の行動は多くの場合、集団を単位としてなされる。人間行動のこの集団拘束性は、一方では集団内での相互協力を生み出すが、同時に、集団間に葛藤や攻撃行動を生み出す。本研究は、(1)「内集団ひいきと内集団信頼に対する集団との同一化の影響」と、(2)「集団間攻撃行動の適応的基盤」という二つの主要な研究テーマを中心に置き、社会的存在としての人間の特徴である社会行動の"集団拘束性"分析することで、その内容を明らかにすると同時に、その適応的基盤を解明し、研究成果を我々の社会での制度設計に生かす可能性を追究することを目的としている。
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