研究課題/領域番号 |
19330144
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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研究分担者 |
藤井 聡 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80252469)
唐沢 かおり 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50249348)
大平 英樹 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90221837)
若山 大樹 駒澤大学, 経営学部, 准教授 (40363741)
福澤 一吉 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00156762)
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キーワード | 社会的判断 / 認知判断 / 社会調査 / 意思決定 / 社会問題 / ファジィ理論 / 評定法 / 反応時間 |
研究概要 |
本研究は、社会的判断の新しい分析方法を、認知過程や生理過程に注目した心理実験と社会調査を通じての検証を通じて開発し、その分析方法を用いて、社会政策に利用するための理論的視座とその実例を提供することを目的とした。本年度は、これまでの研究結果の成果をふまえて以下の研究を実施した。 本年度は、第1には、社会的判断の評定に関する調査手法と分析手法を開発するために、これまで進めてきたファジィ評定法などを用いた方法を開発した。特に、曖昧性下における認知バイアスを説明できるような社会的判断のモデルとその分析法も開発した。第2には、社会的判断の認知処理がどのように行われているかを反応時間の分析手法などを通じて明らかにし、反応の生起メカニズムを組み込んだIATなどの潜在認知反応の計量分析手法を開発した。また、曖昧性の原因についての調査も行った。第3には、社会的判断にまつわる生理過程を明らかにし、この生理的手法をもとにした併用的な分析技法を検討した。第4には、評定法、反応時間法、生理的方法の3つのアプローチの相互関連を明らかにするために、ネットワークを仮定した多変量モデルを考案して、これらを数理解析ソフト、計算機シミュレーションソフトに実装して、これらの相互関係をモデル化し、実際の実験結果や調査結果の予測を行った。第5には、都市問題、交通計画問題、消費者問題などの社会的政策への応用を考慮した理論的基盤とその応用への具体的方法を検討するために、国内外の現地調査を行い、関係者へのインタビューや資料収集を通じて、現場の意向を調査し、実践的に役立つような社会的判断研究の手法の開発やその知見の応用を検討した。また、本研究の成果を国内外に公表するために、学会等で成果を発表し、また、啓蒙書の出版なども出版し、研究集会やシンポジウムで一般市民、研究者などの専門家との意見交換を行った。
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