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2009 年度 研究成果報告書

抑制機能の可塑性に関する実験的研究-認知リハビリテーションからの分析-

研究課題

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研究課題/領域番号 19330150
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育心理学
研究機関立命館大学

研究代表者

土田 宣明  立命館大学, 文学部, 教授 (40217328)

研究分担者 吉田 甫  立命館大学, 文学部, 教授 (80094085)
大川 一郎  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90241760)
研究期間 (年度) 2007 – 2009
キーワード認知機能 / 抑制機能 / 可塑性 / 高齢者 / 認知リハビリテーション
研究概要

本研究は,認知リハビリテーションを実施することで,認知機能,とりわけ抑制機能に改善・変化がみられるかを検討したものである。この検討を通じて,認知機能の可塑性について考察することを目的とした。高齢者を対象として,3年間の計算・音読課題を遂行することで,認知機能および前頭前野機能に与える影響を調べた。京都市にある社会福祉法人の特別養護老人ホームに入所している高齢者の中から39人が,この取り組みに参加した。彼らは,音読計算を実施する学習群に28名,音読計算課題を実施せず,査定課題のみを定期的に実施する統制群に11名に振り分けられた。学習は,施設内の2つの部屋で同時に行われた。一人たりの学習時間は,1日につきおよそ15分~20分であった。全体としての学習時間は,2時間ほどが設定されており,学習者はこの時間帯の中のどこかで参加した。効果の査定としてFAB課題とMMSE課題を実施した。学習群は,介入を始める前のベースライン時に第1回目の査定を行い,介入半年後,1年後,1年半後,2年後,2年半後に同一の査定を実施した。統制群では,学習群の査定時期に合わせて同一の査定を行った。結果として,3つの点が明らかになった。1)学習群の前頭前野機能,抑制機能の改善・維持が確認された。2)学習群の認知機能の維持が確認された。3)統制群の前頭前野の低下が確認された。これらの結果より,高齢者の認知機能には可塑性が十分期待できることが確認できた。高齢化社会を迎えるにあたり,認知リハビリテーションの重要性が指摘できたものと思われる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (7件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 3年間での認知症高齢者の変化過程に関する介入研究-MMSEとFABを中心とした検討-2010

    • 著者名/発表者名
      孫琴・吉田甫・土田宣明・大川一郎
    • 雑誌名

      立命館人間科学研究 20

      ページ: 31-39

  • [雑誌論文] 成人期・老年期における発達研究の動向2009

    • 著者名/発表者名
      土田宣明
    • 雑誌名

      教育心理学年報 48

      ページ: 85-94

  • [雑誌論文] 認知症高齢者の抑制機能に関する研究2008

    • 著者名/発表者名
      孫琴
    • 雑誌名

      発達心理学研究 19

      ページ: 275-282

  • [雑誌論文] 高齢者に対する音読と計算活動の介入が前頭葉機能活性化におよぼす影響: NIRSによる検討2008

    • 著者名/発表者名
      吉田甫・片桐惇志・大川一郎・土田宣明, ほか
    • 雑誌名

      立命館人間科学研究 16

      ページ: 117-152

  • [雑誌論文] 抑制機能の分類に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      土田宣明
    • 雑誌名

      立命館文学 599

      ページ: 100-109

  • [雑誌論文] 高齢者における抑制機能に関する研究:同一性ベースと場所ベースの抑制機能を中心として2007

    • 著者名/発表者名
      孫琴・吉田甫
    • 雑誌名

      高齢者のケアと行動科学 12

      ページ: 1-10

  • [雑誌論文] 2008高齢者を対象としたSRC課題における復帰抑制

    • 著者名/発表者名
      孫琴・吉田甫・大川一郎・土田宣明
    • 雑誌名

      立命館人間科学研究 16

      ページ: 13-20

  • [学会発表] Inhibitory function in stimulus-response compatibility task and aging2008

    • 著者名/発表者名
      Tsuchida, N.
    • 学会等名
      International Congress of Psychology
    • 発表場所
      Germany
    • 年月日
      20080000

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公開日: 2011-06-18   更新日: 2016-04-21  

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