研究分担者 |
濱口 佳和 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20272289)
大川 一郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90241760)
石隈 利紀 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50232278)
松井 豊 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60173788)
岡田 昌毅 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (10447245)
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研究概要 |
本研究では前年度のプログラム参加者中,全セッション出席者6名の親を対象に,4ヵ月経過時点でのプログラムの成果などについての評価を半構造化面接によって聞き取り,利用者の立場から見たプログラムへの評価と改善が求められる点について明らかにすることを目的とした。結果は以下の通りであった。(1)プログラムへの参加は楽しく有意義であった。また,対人関係ゲーム,SST,ショート・レクチャーの各エレメントはそれぞれの良さがあったと評価された。(2)対人関係ゲームは参加者メンバー相互間の共感的・支持的な関係の早期の確立に大きな役割を果たし,本プログラム終了後も,自発的にグループでの会合を持つなどの形で維持されていることが明らかになった。(3)SSTではロールプレイが特に評価され,子どもとのコミュニケーションの取り方において,「頭でわかっていることができない」という事実に親が直面し,それを乗り越えていく上で重要な経験を与えることが示唆された。(4)小グループ討議は子どもとのコミュニケーションの具体的な問題を話し合う場としての有効性が評価された。(5)プログラム回数,セッション時間,セッション間隔などについては無理なく適当であったと評価された。しかし,一定期間経過後のブースター・セッションやアドバンスト・コースの開催など,プログラムの継続・発展への要望が強かった。(6)プログラムの効果は,主に自分の子どもとのかかわりにおける考え方や具体的な行動変容にあることが明らかにされた。(7)参加者同士は問題を共有した仲間としての深い共感と強い連帯感で結ばれた関係を築くことができ,プログラム終了後においても参加者同士が重要なソーシャル・サポート源になることが示された。(8)インストラクターやサポート・スタッフに対する評価や満足度は高く,このことがプログラムへの参加者の評価を支えていることが示唆された。
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