1)大学附属病院での研修マニュアルの作成 昨年に引き続き東京大学医学部附属病院精神神経科の協力を得て病院研修をアクションリサーチとして実施した。今年度は、昨年度の研究に基づいて修正を加えたプログラムを適用した。研修内容としては、予診、医師の診察陪席、デイケア、児童精神科、リエゾンであった。参加した12名の大学院生の聞き取り面接とレポート、研修参加院生に研修責任者である精神神経科教授と准教授を含めた闘係者のフォーカスグループを実施し、プログラムの改訂を行った。その結果を踏まえて精神科研修マニュアルを作成し、その一部を論文化して発表した。 2)精神科クリニック等における技術研修プログラムの開発 初台関谷神経科クリニックでの予診面接、はりまメンタルクリニックでの心理検査と報告書作成、三井記念病院精神神経科での他科とのリエゾン活動の研修を実施した。それぞれの研修参加者および病院関係者から聞き取り調査を行い、研修プログラム作成の基礎資料を作成した。 3)児童精神科と児童福祉領域の研修プログラム作成に向けての国際シンポジウム 臨床心理士の多くが、医療・福祉領域において児童への心理援助活動に従事している。そこで、児童を対象とした精神科と福祉領域で臨床心理士の訓練プログラムの作成が急務になっている。そこで、その領域が発展している英国で指導的立場にあるバース大学のStallard教授を招聘し、児童精神科医、祉会福祉士、厚労省行政宮を交えた国際シンポジウムを開催し、基礎資料を収集した。この結果については、書籍として出版予定である。 4)医療現場における臨床心理士の役割を巡ってのセミナーの開催 医療現場における研修の目的を明確化するために精神科医による臨床心理士の役割に関する講演と討論会を7回開催し、研修プログラムの概念と目的を確定する資料とした。
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