研究概要 |
21年度は、3ヵ年の研究の最終年度であるので、前2年間の研究の成果をまとめる作業を行った。 第一段階としては、19年度と20年度にアクションリサーチとて行った北里大学附属病院、東京大学附属病院での臨床心理研修のプログラムの質的評価研究を行った。また、医療領域での実践において認知行動療法の研修が必須となっていることも明らかになったので、認知行動療法のプログラム開発研究を行った。上記の2研究の成果については、東京大学臨床心理学コース紀要第32集に論文として発表した。 第二段階では、前年度の研究過程で医療領域の研修では生物-心理-社会モデルに基づくプログラムの必要性が明らかになったので、社会的側面として福祉領域も含めたプログラムを開発することにし、新たな面接調査などを実施した上で、19年度と20年度において開催した研究会および国際シンポジウムの参加者の協力も得て、福祉領域を含む医療全般領域における研修プログラムに関する研究報告書となる書籍を編集、出版した(下山・村瀬(編)2010『今、心理職に求められていること』誠信書房)。なお、精神科医療領域に特化した研修プログラムに関連する研究成果についてもまとめ、研究報告書となる書籍を編集中であり、同じく誠信書房から出版予定となっている。 第三段階では、最終的な研究成果として、開発した研修プログラムのマニュアルを上記コース紀要第33集にまとめた(印刷中)。また、3ヵ年の研究成果をまとめるものとして2010年3月28日に英国の臨床心理学会前会長のTurpin,Gシェフィールド大学教授および医療関係者を招いての国際シンポジウムを開催し、研修プログラムの比較研究と、今後の展望を議論した。
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