研究概要 |
偏光フィルタ映像提示トリックを活用した目撃記憶変容の実験研究を国内外の共同研究者・研究協力者と実施推進した。研究の成果として、Victoria University of WellingtonのFrench,Garryらとの共同研究では、共同目撃者同士の目撃しやすさの程度を実験的に操作すると、絶対的な見えやすさではなく、目撃者同士の相対的な見えやすさが同調に大きく影響することがわかった。この研究成果は、学術研究誌Acta Psychologicaに公刊した(French et al.,2011)。小学校入学前の幼児のペアを被験者にした共同目撃記憶実験を行い、幼児では大学生に比べ、記憶成績が悪いだけでなく、同調が起きやすいことも見いだした。この研究成果は、記憶認知応用研究学会(Society for Applied Researchin Memory and Cognition)の第9回大会で発表した(Mori & Takahashi,2011)。この発表に併せて、MORIテクニックを応用した目撃記憶実験研究を行っているカナダ、ニュージーランド、オーストラリアの海外研究協力者とシンポジウムを開催した。さらには、偏光フィルタを用いた提示トリックを目撃記憶以外の場面にも応用し、同調実験の古典的実験研究であるアッシュの同調実験をサクラを使わずに再現する実験を行った。その研究成果も、学術研究誌International Journal of Psychologyに公刊した(Mori & Arai,2010)。また、サクラを使わずに知的課題で勝者と敗者を作り出し、その社会的認知の特質を調べた実験研究も行い、学術誌Social Behaviorand Personalityに公刊した(Mori & Mori,2011)。
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