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2008 年度 実績報告書

「がまん」をコントロールする要因に関する生理心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19330164
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

渡辺 正孝  (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 特任研究員 (50092383)

研究分担者 児玉 亨  (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20195746)
キーワードがまん / サル / 前頭連合野 / セルフコントロール / 神経伝達物質 / リタリン / ADHD / ゴーノーゴー課題
研究概要

がまんの問題は「行動抑制」あるいは「セルフ・コントロール」の問題としてこれまで研究されてきている。ルールに従ったがまんをするのが「行動抑制」、長期的な利益のために短期的な利益をがまんするのが「セルフ・コントロール」である。サルに行動抑制に関係する「ゴー・ノーゴー課題」と「多選択セルフ・コントロール課題」を訓練した。ゴー・ノーゴー課題では、ある刺激に対しては特定の運動反応を、別の刺激には運動反応の抑制をするように訓練した。セルフ・コントロール課題では、「ある刺激を選ぶと少しの報酬がすぐ出るが、別の刺激を選ぶと大きな報酬がかなりの時間を経て与えられる」、という事態で選択をするように訓練した。
注意欠陥多動性障害(ADHD)は注意欠陥・多動・衝動性を特徴とした発達障害であり、前頭連合野との関連がいわれている。メチルフェニデート(リタリン)はドーパミンの作動薬的な働きをし、ADHDの治療薬として広く用いられているが、その作用メカニズムについては不明のところが多い。20年度は行動抑制に関係した課題を遂行中のサルに対するメチルフェニデートの影響について行動レベルと神経伝達物質レベルで調べる研究を行った。メチルフェニデートを経口投与したところ、投与量により課題遂行の促進や障害が見られた。メチルフェニデートの投与量をいろいろ変えてサルに課題を行わせ、前頭連合野内と線条体における神経伝達物質の動態を調べるマイクロダイアリシス研究により、この薬物の認知課題に作用するメカニズムを解明する実験を開始した。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 報酬の脳内機構2009

    • 著者名/発表者名
      渡辺正孝
    • 雑誌名

      Annual Review 神経2009

      ページ: 1-8

  • [雑誌論文] 前頭連合野と報酬期待2008

    • 著者名/発表者名
      渡辺正孝
    • 雑誌名

      分子精神医学 8

      ページ: 87-90

  • [雑誌論文] 報酬の脳内表現2008

    • 著者名/発表者名
      筒井健一郎, 渡辺正孝
    • 雑誌名

      生理心理学と精神生理学 26

      ページ: 5-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 学習意欲と前頭連合野2008

    • 著者名/発表者名
      渡辺正孝
    • 雑誌名

      BRAIN and NERVE 60

      ページ: 815-824

  • [学会発表] サルの抑制行動に対するメチルフェニデートの影響2008

    • 著者名/発表者名
      桑波田卓、渡邊正孝
    • 学会等名
      日本心理学会第72回大会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] 生育期のメチルフェニデート長期連続投与による行動変化(2)2008

    • 著者名/発表者名
      児玉亨, 本多芳子, 渡辺正孝, 臼井節夫
    • 学会等名
      第33回日本睡眠学会定期学術会議
    • 発表場所
      福島
    • 年月日
      2008-06-25
  • [学会発表] メチルフェニデートによるサル認知課題遂行時の注意集中レベル変化2008

    • 著者名/発表者名
      桑波田卓, 児玉亨, 本多芳子, 渡邊正孝
    • 学会等名
      第33回日本睡眠学会定期学術会議
    • 発表場所
      福島
    • 年月日
      2008-06-25
  • [学会発表] 生育時における長期メチルフェニデート投与による脳内ドーパミン変化2008

    • 著者名/発表者名
      児玉亨, 本多芳子, 桑波田卓, 渡邊正孝, 臼井節夫
    • 学会等名
      第33回日本睡眠学会定期学術会議
    • 発表場所
      福島
    • 年月日
      2008-06-25
  • [図書] 行動の認知科学(田中啓治 編「認識と行動の脳科学」)2008

    • 著者名/発表者名
      渡辺正孝
    • 総ページ数
      61
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [図書] 欲望の脳科学-サルの意志決定(岩田誠, 河村満 編「社会活動と脳-行動の原点を探る」2008

    • 著者名/発表者名
      渡辺正孝
    • 総ページ数
      17
    • 出版者
      医学書院
  • [図書] メタ認知の神経科学的基礎,三宮真智子 編「メタ認知 学習力を支える高次認知機能」2008

    • 著者名/発表者名
      渡辺正孝
    • 総ページ数
      18
    • 出版者
      北大路書房

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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