研究課題/領域番号 |
19330170
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
高濱 裕子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (10248734)
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研究分担者 |
酒井 朗 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (90211929)
浜田 寿美男 奈良女子大学, 文学部, 教授 (50113105)
本山 方子 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (30335468)
天ケ瀬 正博 奈良女子大学, 文学部, 准教授 (00254376)
渡辺 利子 武蔵野大学, 現代社会学部, 准教授 (60258928)
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キーワード | 就学前施設 / 環境移行 / 家庭教育 / 自律の発達 / 生態学的観点 / 環境認知・環境定位 |
研究概要 |
平成19年度の研究目的は、(1)社会的変化や少子化による対人関係の変化を、他者との対人的調整力の発達という観点から追跡的に検討すること、(2)家庭から幼稚園への移行を、新たな環境の認知、環境への定位、及び活動の生み出され方といった生態学的観点から検討すること、であった。これらを検討するために、以下の研究プログラムを実施した。 (1)子どもの自律の発達や親の社会化についての質問紙調査を実施した。約100名の保誇者の協力をえた。また、当初は親への面接調査も予定していたが、研究計画(1)に対応する第1コホートの幼稚園入園直前の調査(第2回目)が優先すると判断したため、今回は面接を見合わせた。第1コホートの3歳クラスへの入園希望者は62%であった。 (2)新入園児の幼稚園環境へのかかわりを、奈良女子大学附属幼稚園において観察した。3歳児の入園時から1年間、対象児7名(男児5名、女児2名)を抽出し、自由遊び場面を市心に追跡した。対象児の環境利用、特に自らの活動を構成する際の環境の「資源化」の過程の検討をおこなった。その結果、全般的に物的環境よりも人的環境の資源化が先行すること、男女とも劇構造をもつ遊びが後半見られるようになるが、男児は敵役を設定する対峙的関係の利用が、女児は敵のいない並列的関係の利用が顕著であった。一方で、1名の男児は、他児に遊びに誘われても断るなど、狭い範囲ではあるが物的環境の徹底した資源化に専念していた。 (3)学校間移行について先行研究の知見を整理した。 (4)研究打ち合わせ会議を開催し、今年度の成果と次年度の課題について協議した。
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