本研究は、「近代日本人のキャリアデザイン形成と教育ジャーナリズム」というテーマのもとに明治中期から昭和戦前期を対象時期として、教育ジャーナリズムの中でも雑誌メディアが発信した情報を、近代日本人の「自己発見」、「学校選択」、「職業選択」、「ライフコース」の設定という角度から歴史的に検証することを目的とする。 本年度は科研プロジェクトの最終年度である。 これまでの研究成果を集成し、最終報告書の刊行を行うため、以下のような活動を行った。 1. 研究会の開催:5回の研究会を開催した。 (1) 最終報告書の作成に向けて、皆で研究の目的・視点・方法を確認し、原稿化するための研究会を行った。 (2) 12編の原稿がほぼ完成し、調整に入っている。最終報告書の構成は、「職業案内書」に1編「雑誌『職業指導』に2編、「諸雑誌に見られるキャリアデザイン情報」に5編、「解説:『中学世界』」に4編がそれぞれ配置され、全体で4部構成となっている。 (3) 製本して公刊する予定である。 2. 文献・資料の収集:(1)キャリアデザイン・職業選択などに関わる教育関係書籍や雑誌等を購入した。(2)『母と子』等資料の複写をした。 3. 研究実績:(1)「11.研究発表」に記すように、吉野剛弘「雑誌『中学世界』にあらわれた受験・進学情報」『中等教育史研究』第17号、石渡尊子「雑誌『女学世界』に見る女性たちのキャリアデザイン」桜美林論考『心理・教育研究』第2号の他、「雑誌論文」1件を発表した。
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