今年度は2008年に実施した保育園調査、幼稚園調査、父親調査、母親調査、保育者調査、自治体調査のデータ分析について、研究代表者と連携研究者とが分担してチームを組み、分析を深め、日本保育学会第63回大会で次のような内容の報告をおこなった。 *口頭報告-村山、杉山(奥野)、神谷、逆井「保育者の保育・子育て意識と子育て支援」、神田、山本、諏訪「格差社会における乳幼児の父母の子育て意識」(その1)(その2)、*ポスター発表-望月、戸田「自治体の子育て支援施策の現状」、神谷、戸田、渡邊「保育者のストレス反応の2003/2008年度比較」、*自主シンポジウム-神谷、諏訪、戸田、山本、渡邊「長期間・長時間保育と保育者の役割」。 8月26、27日(新宿・ホテルサンライト)に合宿研究会を開催し、上記の学会報告を深める為の検討をおこない、2011年5月の保育学会自主シンポ及び口頭報告を決める。さらに『日本労働研究雑誌』」掲載予定の投稿原稿「保育園における雇用環境と保育者のストレス反応-雇用形態と非正規職員の比率に着目して」について神谷連携研究者から報告と討議をおこなう。この研究論稿は2011年2・3月号で掲載された。その後のデータ分析をふまえて、2011年5月の日本保育学会において「格差社会における乳幼児の父母の子育て意識」(その3)、「保育者の保育・子育て意識と子育て支援」(その2)、自主シンポ「保育者の雇用環境と保育の質をめぐる現代的諸問題」が受理されている。また、2011年度事業としてこれまでの学会報告や各調査の概要などをふくめ研究成果報告書としてまとめる。今後、調査データの総合的分析をさらに深め、得られた知見に基づき、格差社会における子育て支援のあり方と保育者の役割についての課題の解明を継続的に進めることが必要である。
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