これまでの研究成果により、各国における自己評価と外部評価(第三者評価)の実施実態、並びに評価の実施に伴い必要とされる諸施策(学校改善支援システムの構築、評価者表制等)の特質や構造、機能については明らかにしてきた。これらの研究結果をもとに、本研究では評価システムの導入による効果とその効果を最適化していくためのサポートシステムを教育の質の保証という観点から分析し、日本の公教育システムを再構築するための課題を析出することを目的としている。 平成20年度においては、第一に国内の学校評価に関する理論研究として、新旧「学校評価ガイドライン」の検討を行った。第二に、国内のいくつかの自治体を取り上げ、各自治体の施策内容及び学校自己評価、関係者評価、第三者評価の取組事例から、それらにみられる成果と課題について分析した。第三に、昨年度に引き続きニュージーランド教育研究所主任研究官のCathy Wylie博士、およびニュージーランド全国学校理事会協会のRay Newport氏・Colin Davis氏の指導助言を仰ぎつつ、ニュージーランドの学校評価システムの効果要因分析のための質問紙調査の開発を行った。第四に、イギリス・ドイツについて、学校評価システム(主として第三者評価)の展開過程についての現地調査を行った。
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