大学の「教育力」は、「大学力」「教員力」「職員力」「学生力」といった要素に分けられる。それらは、大学教育の対象である学生達にどのように働いているのか。学生達への意識調査によって明らかにした。 調査は、2007年11月~2008年1月にかけて、全国の14大学(国立3校、私立11校)の人文・人間、教育系を中心とした学部に所属する大学生に対して、集合自記式の質問紙調査で行った。その内容は、キャンパスライフ全体に及んでいる。 そのデータ分析を、本年度は、さまざまな側面から行い、そのデータの背景にある社会的要因の分析も含め、154ページの最終報告書を作成した。 その内容は、「高校生活の大学生活への影響」「親の大学経験が学生生活に与える影響」「大学生の趣味活動とキャンパスーイフ」「学生の視点にもとづく大学教育改革の方向性」「地方私立新興大学における男子学生の生活」「「2002年以降における学生文化の動向」「大学から企業ヘー組織のなかでの自己成長」「大学と企業を結ぶキャリア支援」「留学生のキャンパスライフ」などである。 大学生のキャンパスライフの送り方は多様であり、それには、親のしつけや大学経験、本人の高校生活、入学形態などの影響がみられる。大学のチャーターや文化風土の影響、教員や職員の影響、学生文化の影響、将来のキャリア展望などが複雑に絡みながら、影響を与えている。その実態を、量的なデータと質的な考察から明らかにした。その実態に即した、学生支援は効果をもつであろう。
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