研究課題
平成20年度は、4回にわたり研究会を開催した。まず、国際研究については、米国のIRからみた高等教育財政の分析方法をもとに基盤的経費の定義等の調査を進め、また平成20年度にSHEEOに委託した州レベルの高等教育予算編成と算定根拠に関するアンケート調査について追加の報告を受けた。このアンケート・データについては、独自の集計と分析も行った。また、日本の3つの国立大学の学内予算制度を訪問ヒヤリング調査と資料収集をもとに詳細に調べ、英国における同規模・同種の大学との相互比較を行い、その制度設計や基盤的活動経費の算出根拠の異同をまとめた。この日英比較研究については、英国ノッティンガム大学のマーガレット=ウッズ准教授との共同研究で行い、9月にオランダの学会で論文を発表した。また、大学の自治権が強い米国ミシガン州の高等教育予算制度について、追加で訪問調査を行った。なお、SHEEO委託調査結果の独自分析、および平成20年度に調査したテネシー州、ニューヨーク州、加フォルニア州にミシガン州の情報を加えて、米国州立大学システムにおける経常予算システムの実態を山口大学の吉田香奈准教授と共同研究としてまとめ、平成21年度に論文発表・学会報告を行うべく準備を進めた。次に日本研究については、国立大学の法人化後のガバナンスの変化と教育・研究経費をめぐる実態について、テネシー高等教育委員会の柳浦猛氏と共同で論文を執筆し、11月に米国の学会で報告した。最後に校費研究については、特別会計時代およびそれ以前の積算校費単価の算出根拠を知るために、東北大学の羽田貴史教授から基礎情報を提供頂くとともに、個別大学が保存していた戦前の積算資料や戦後文部省内で経費調査がなされた際のデータ、ならびに積算校費単価の改定に係る国会議事録など、歴史的な資料・文献等の幅広い収集を進めることが出来た。
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大学財務経営研究 5
ページ: 31-46
Reforms of Public Financing for Japanese National Universities University Reform in Finland and Japan(Tampere University Press)
ページ: 26-163
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