研究概要 |
まず歴史研究では,国立大学の積算校費単価の変遷について明らかにするため、国会での議論や当時の資料を元に中間的な成果をまとめ、国立大学財務・経営センター研究報告第11号に論文を発表した。また、これに加え、公立大学の地方交付税基準財政需要額単位費用の分析を進め、その研究成果を平成22年5月の日本高等教育学会で発表するべく準備を進めた。次に国内の実証的研究については、平成20年年度に全国立大学の学長,財務担当理事,学部長を対象にアンケート調査を実施し、その一次的な集計・分析結果を中間報告書として平成21年6月に刊行した。また、平成21年5月の日本高等教育学会でも別途発表を行っている。このアンケートのデータについては、その後さらに詳細な分析を進め、平成22年3月26日に『国立大学法人の経営・財務の実態に関する研究報告書』を刊行し、シンポジウムを開催した。その他、国内の実態を把握するため、平成21年7月に帯広畜産大学に訪問調査を実施した。 国際比較研究については、平成19年度に米国高等教育管理者協会(SHEEO)と実施した米国州政府から州立大学への予算配分方法に関する調査結果について、独自の詳細分析を加えた結果を、米国の4州における事例紹介を含めて日本高等教育学会(平成21年5月)で発表した。また、同発表内容を論文にまとめ、国立大学財務・経営センター研究紀要および研究報告第11号にて公表している。その他、平成22年1月31日~2月7日の間にニュージーランドを訪問し、同国大学学長会議、高等教育委員会および個別大学などでインタビュー調査を実施した。同国の「業績ベース研究資金」(PBRF)の制度レビュー結果と次回2012年への展望、2008年度から導入された「高等教育投資システム」と呼ばれる新しい予算制度および業績管理制度の実施状況について、最新情報を入手することが出来た。 なお、研究の進捗にあわせて、平成21年度中に4回の研究会を開催した。
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