研究概要 |
まず、歴史的経緯に関する調査では,「講座研究費」および「校費」の概念と根拠、ならびに校費の下位概念(「学生経費」「教官研究費」等)の実態と積算校費単価の比較を行い、公立大学に対する地方交付税財源措置の研究成果とともに、平成22年5月30日に日本高等教育学会第13回大会で発表を行った。 次に,海外との比較研究については,欧米の政府予算制度と内部資金配分制度について情報収集を継続しており,過年度の情報と総合して、日本への示唆を抽出する作業を行った。米国における成果の一部は、平成22年5月1日に米国教育研究学会年次大会で発表を行った。さらに、英国アストン大学講師のマーガレット・ウッズ氏と共同で進めている、内部資金配分における基盤的経費の概念・計算方法の日英比較研究のため、平成22年2月6~13日にかけて英国内の5大学を調査した。その際に、英国における高等教育予算削減と授業料上限引上げをセットにした新政策について、大学側の対応策を同時にヒヤリングし、最新情報を得た。 最後に国内調査については,平成20年12月から平成21年2月にかけて,全国立大学の学長,財務担当理事,学部長を対象に実施したアンケート調査について、既存の分析内容を深め、また追加の分析結果を加えて、平成22年9月に発刊した報告書に論文を掲載した。また、国内の国立大学における教育研究経費の実態調査については,一つの地方大学をサンプルに、実際の経費の算出と分析を実施した。さらに、研究論文データベースから学術論文等の実績を把握し、投下された研究費との相関分析を行った。その他にも、国公立大学の基盤的経費に関する情報収集を図るため、国内の5大学に訪問調査を実施した。 なお、年度内に2回にわたり研究会を開催し、また最終年度にあたり、研究成果の最終的な取りまとめと今後展開する新たな研究プロジェクトの準備を実施した。
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