本研究は、イギリスのBurghes教授らが提起した、知能と数学達成度の中間に位置付くと考えられる、数学的な潜在力(以下、潜在力)に着目した取組で、大きくは以下の2つのことを計画している。 (1)算数・数学教育の改善につながる「潜在力」を測定する用具の開発 これについては、筆者らの先行研究を踏まえて、潜在力の理論的な研究を深めるとともに、そこで開発した潜在力の測定用具を再検討し改善を加え、信頼性・妥当性等の観点から実用化が可能な、小学4年生と中学2年生用の測定用具を開発する。 (2)開発した測定用具を算数・数学教育の改善に活用する具体的な方法の研究 これについては、全国的あるいは国際的な学力調査の実施や学習指導要領の改訂等を踏まえて、そうしたこれまでの視点に潜在力という新たな視点を加えた、算数・数学教育の改善に寄与する、測定用具の具体的な活用方法を開発する。
|