知識基盤社会における学力のあり方としてOECDの「キー・コンピテンシー」がある。ここからPISA調査のリテラシーが生まれてくる。中教審答申ではこの考え方を「言語活動の充実」という視点で取り組むこととしている。「キー・コンピテンシー」は「相互作用的に道具を用いる、異質な集団で活動する、自律的に取り組む」である。「相互作用的に道具を用いる」は「A:言語・シンボル・テクストを相互作用的に用いる」と「B:知識や情報を相互作用的に用いる」「C:技術を相互作用的に用いる」に分けられる。平成20年度では「A:言語・シンボル・テクストを相互作用的に用いる」能力を育成する学習として、算数・数学における「言語活動の充実」を図った学習指導の枠組みを作った。これは「読解力を中心とする学習」と「課題解決のための協同的・表現的・創造的な学び」とで構成した。算数・数学の文章問題は、PISA調査の数学的リテラシーの「状況・文脈」「思考プロセス」に基づき作成した。その文章題を「今課題解決で何」求められているか、それを解決するために必要な条件と必要でない条件は何か」を分ける学習をまず行う。次に、既習した学習内容を道具として使用し表現しコミュニケーションする学習を行った。この学習として、「課題解決のための協同的・表現的・創造的な学び」を行った。また、「B:知識や情報を相互作用的に用いる」能力を育成する学習として、理科を中心に「言語活動の充実」を図った学習指導の枠組みを作った。これは「調べ学習」と「課題解決のための協同的・表現的・創造的な学び」で構成した。「調べ学習」は知識・情報を収集し選択し意思決定する学習であり、この成果をプレゼンテーションやレポート作成を行う過程において、「知識・情報を相互作用的に用いる」学習が成立する。
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