研究課題/領域番号 |
19330212
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
成田 奈緒子 文教大学, 教育学部, 教授 (40306189)
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研究分担者 |
酒谷 薫 日本大学, 医学部, 教授 (90244350)
成田 正明 三重大学, 医学研究科, 教授 (80302404)
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キーワード | 自閉症 / セロトニン / 脳機能 / 認知 / 情動 / スイッチングタスク |
研究概要 |
本研究は、申請者がこれまでに行ってきた基礎医学研究と臨床医学の知見を生かした上で、教育的手法と融合させた、新しい自閉症者への全人生的・包括的な支援を確立することを目的として計画されたものである。前年度に引き続き、近赤外線酸素モニター(NIRS)と加速度脈波計を用いて、様々なタスク下の前頭葉血流量の左右差と自律神経機能をコントロールと自閉症者において測定し、特に自閉症者で著明にみられる、ワーキングメモリ不全、及び情動の統合不全による認知の障害について、特にセロトニン神経系との関連につき検索した。 今年度は、3種類、4色の図形のランダムな配置を記憶させ、多数の図形の提示の中から想起させ選ばせるワーキングメモリタスクと、画面上部に提示された図形を下部から選ぶ容易なタスクを交互に提示して刺激内容を切り替えながら、徐々に難易度を増加させるスイッチングタスクの提示プログラムを独自に作成した。そして自閉症者とコントロールにおいて、その際のNIRSによる前頭葉の脳血流量の変化を測定した。その結果、自閉症者では、ワーキングメモリタスクへの切り替えに応答して、前頭葉を活性化させる機能が健常群と比して大きく低下していることが明らかになった。一方タスク正答率は自閉症者でむしろ高い項目もあり、今後多チャンネルNIRSでさらに活性部位を詳細に測定していくことを計画している。さらに、眼球運動測定装置を使い、タスク施行中の被験者の視機能の検索も行う予定である。
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