研究課題/領域番号 |
19330215
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研究機関 | 独立行政法人国立特殊教育総合研究所 |
研究代表者 |
藤井 茂樹 国立特別支援教育総合研究所, 教育支援研究部, 総括研究員 (80443331)
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研究分担者 |
斉藤 由美子 国立特別支援教育総合研究所, 教育支援研究部, 研究員 (90443332)
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キーワード | 学習困難 / 学習のユニバーサルデザイン / コンサルテーション / 軽度発達障害 / 特別支援教育 / 通常学級 / 学校体制 |
研究概要 |
1.栗東市におけるツールの開発と教育的効果の実証教師自身が自分の授業のスタイルを振り返るツールとして、学習のユニバーサルデザインの考え方を取り入れた「授業のチェックリスト」を作成した。この過程では、栗東市の研究協力者が実際に試用したうえでの意見が取り入れられた。研究協力者3名が、試作した授業のチェックリストや、QU(たのしい学校生活を送るためのアンケート)を活用しながら研究授業を実施した。検討会では、チェックリストの活用の方法や、コンサルテーションの入り方、日本型のユニバーサルデザインの視点について、初期的な知見を得ることができた。研究協力者からは、研究授業を通して、また、チェックリストの試用や、QUの活用を通して、「自分の授業を見直す機会になった」等の意見を得ている。 2.宍喰小学校(研究協力校)におけるコンサルテーションの教師への効果の検証、及び通常学級(1〜3年生)における学習のユニバーサルデザインの教育的効果の検証教師自身の授業スタイルの自己分析から学習のユニバーサルデザインの要素を取り入れた授業を実施することにより、授業改善の意図を理解し、目標をもって意欲的に取り組むことができた(教師へのインタビユーによる質的分析から)。研究者によるコンサルテーション内容を、教師自身の授業スタイルを前提とした授業から取り入れることにより、授業改善効果が表れた(VTR分析と教師自身の目標への取組から)。コンサルテーションが終了後、授業改善による学習のユニバーサルデザインの内容を取り続けた教師とそうでない教師がみられた。それは、教師の柔軟性と意欲に寄るところが大きいと考えられ、今後検討が必要である。コンサルテーションを実施していくには、学校全体のサポート体制や校長の理解が大きく影響すると考えられた。
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