教師自身が自分の授業を振り返るツールとして、「授業についてのチェックリスト」「学級経営についてのチェックリスト」をコンサルテーションにおいて活用した。授業後の教師との話し合いを頻回に行うことで、教師自身が学習のユニバーサルデザインについての理解を深め、意識の変容や授業技術の変化がより明確に見られ、コンサルテーション方法について一定の知見が得られた。 コンサルテーションを行ったクラスの気になる子どもや発達障害と診断された子どものQU及び学力検査を、コンサルテーションの前と後に行った。また、実際に学習したプリント類などの分析を行った。いずれについても、コンサルテーションの前と後では好ましい変化が見られた。 コンサルテーションを行った教師が、同じ学年の2クラスの教師に自ら工夫した教材や指導案を提供する試みを行ったが、学習のユニバーサルデザインの概念が十分に理解されない場合、提供した教材や指導案が有効に活用されなかった。学年レベルで意識を共有する研修などを行う必要がある。 「学級経営についてのチェックリスト」を栗東市の研究協力者8名のフォーカスグループを通じて作成した。研究授業を通じて「授業のチェックリスト」及びQUなど、他のツールと連動して活用した 授業技術の視点と学級経営の視点をセットでコンサルテーションに織り込むことの重要性が示唆された。 コンサルテーションをしていく過程の中で、特別支援教育コーディネーターの資質と学校における支援体制が十分保障されていないと、学級担任支援が担任が受け持つ教育課程でしか発揮されず、児童一人ひとりの全教育課程には反映されていかなかった。学校全体で取り組む支援体制の重要性が示唆された。
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