研究概要 |
1.井上浩一(千葉大学博士課程)および吉田翔(千葉大学修士課程)の研究協力の下で,Conway群が作用する276点上のtwo-graphと,McLaughlin群が作用するランク3グラフの構成について,研究を進めた。その結果,Hoffman-Singlton graphを用いた2種類の新しい構成法を与えることができた。これらについては,一部を研究集会やセミナーで発表し,論文として準備中である。 2.Rudvalis単純群の作用する長さ4060の自己双対符号について,千吉良直紀氏(連携研究者)と共に研究を進めた。特に,3つの自己双対符号の生成系を求め,置換群論的にどのような集合になっているかを調べた。また,部分符号である28次元の部分空間におけるRudvalis群による軌道を計算し,その代表系を調べ,多くが極大部分群と対応していることを確認した。これらは,いくつかの新しい知見を含んでいるが,生成系の特徴付けなど,まだ不十分な点も多く,今後の研究への課題となっている。 3.Cameron-RudvalisによるFischer群F_22が作用するデザインと幾何について,その群論的な立場からの考察を行った。その結果,より大きな群F_24の3-transpositionの共役類を用いた記述を与えることに成功し,Cameron-Rudvalisの論文で計算機を用いて与えられていた,デザインと幾何の数々のパラメータを,群論的に計算することが出来ることを示した。これにより,幾何の部分空間についても,群論的な解釈が可能になる。この結果については,論文として準備中である。
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