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2009 年度 実績報告書

極小モデル定理の検証・発展・応用

研究課題

研究課題/領域番号 19340003
研究機関東京大学

研究代表者

宮岡 洋一  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50101077)

キーワード代数曲面 / 高次元代数多様体 / ベクトル束 / ヒッグズ束 / 作用付きベクトル束 / 変形理論
研究概要

代数曲面や高次元代数多様体上のベクトル束やヒッグズ束の研究を行った。リーマン面上のベクトル束に対してヒッグズが定義した構造を,シンプソンが高次元の場合に拡張したヒッグズ束とは,接束が生成する対称テンソル積環の作用付きベクトルも理解することにより,従来知られていた自然な例以外にも,ヒッグズ束が豊富にあることを示し,安定ヒッグズ束の新しい例を構成した。安定ヒッグズ束については,その第1チャン類と第2チャン類の間にボゴモロフ不等式が成立することが,シンプソンによって証明されている。彼の証明は,良い計量を構成するという解析的・微分幾何的な証明であるため,純代数的な証明を試み,以下のような結果を得た。「射影多様体上の安定なヒッグズ束が与えられたとき,もとの多様体を適当な分岐被覆に,ヒッグズ束を被覆への引き戻しに置き換えたとき,このヒッグズ束と接束とのテンソル束を変形すると,半安定ベクトル束になる。同じ結果はもとのヒッグズ束の対称テンソル束についても成立する」。この結果の系として,ボゴモロフ不等式は自然に得られることになる。また安定ベクトル束に対する小林・ヒッチン・ドナルドソン・ウーレンベック・ヤウの定理を用いれば,簡単な極限操作によって,シンプソンによる良い計量の存在定理の別証明が得られる。上で述べた変形は,あくまでも接束とのテンソル束をとって得られるものであって,もとのヒッグズ束やその引き戻しは一般には非自明な変形をもたない。この結果の応用として,ある種のベクトル束に対する消滅定理が得られることは,S. Muller-Stachによって注意された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Counting lines and conics on a surface2009

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Miyaoka
    • 雑誌名

      Publ.Res.Inst.Math.Sci.

      巻: 45 ページ: 910-923

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stable Higgs bundles with trivial Chern classes. Several examples.2009

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Miyaoka
    • 雑誌名

      Proc.Steklov Instit.Math.

      巻: 264 ページ: 123-130

    • 査読あり
  • [学会発表] Thirty years of the Bogomolov-Miyaoka-Yau inequalities2009

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Miyaoka
    • 学会等名
      Invariants in Algebraic Geometry
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-11-02

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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