研究概要 |
代表者は,リンクの不変量であるジョーンズ多項式をセルバーグ型積分に付随する捩れホモロジーの交叉数を用いることにより定式化した.そして,この定式化によって,2ブリッジノット,トーラスノットの3本線の場合,プレッツルの特別な場合に,ジョーンズ多項式の表示を計算した.この内容は"The Jones polynomial and the intersection numbers of twisted cycles associated with a Selberg type integral"にまとめ,現在投稿中である. 代表者は,セルバーグ型積分の常微分方程式の解に対応する場合に,付随する接続問題を解いた.その接続係数はqラカー多項式(またはq 6-jシンボルといっても同じ)による表示をもつ.接続行列のユニタリ性からqラカー多項式の選点直交性が自然に従う.この内容は"The connection problem associated with a Selberg type integral and the q-Racah polynomials"にまとめ,現在投稿中である. 代表者は分担者・吉田,趙康治(九大)との共同研究により,被積分函数の指数が退化している場合(共鳴状態)のホモロジー・コホモロジーの挙動を調べた。 分担者・黒川は三角関数を一般化した多重三角関数およびゼータ関数の研究を推進した.具体的には,二重三角関数の特殊値,無限次対称群上でのカシミール・エネルギー,オイラー定積分のジャクソン積分類似を研究した. 分担者・高田はザイフェルトホモロジー球面について,A型単純リー環に付随する摂動的量子不変量を計算する簡単な方法を発見した.それを利用することにより,大槻不変量L-functionとの関連公式に似た形で,摂動的量子不変量の低い次数の部分の公式を得ることができた.
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