研究分担者 |
小池 正夫 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20022733)
齊藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
永友 清和 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (90172543)
高田 敏恵 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40253398)
細野 忍 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (60212198)
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研究概要 |
モジュラー群の通常のアイゼンシュタイン級数を、リーマンゼータ値から多重ゼータ値に一般化する要領にならい一般化したものを多重アイゼンシュタイン級数とよぶ.これまでの研究で二重アイゼンシュタイン級数とモジュラー形式の間の密接な関係が明らかになっているが.これを一般化するべく.三重アイゼンシュタイン級数のいわゆるシャッフル積に関する計算を行い,形式的な部分はある程度二重アイゼンシュタイン級数と並行した議論が出来ることを確かめた.モジュラー形式との関係についてはまだ模索中である. 楕円モジュラーj-関数やそのレベル2,3での類似物について,フーリエ係数:の2進的な性質を計算した.Atkinのやり方である種の極限をとって2進モジュラー関数を得ることが出来るが,それをq展開ではなく,ある特定のモジュラー関数で展開したときの係数について,その2進位数について著しい明示的公式を見つけた.類似のことが3進的にも成り立つことをいくつか確かめている. エクストリーマルなモジュラー形式とあるテータ級数の間の2べき,3べきを法とする合同式を見出した.この応用として,エクストリーマルなミュラー形式のある分数べきが整係数になることが導かれる. 楕円モジュラーj-関数の実二次点での「値」を定義するべく,Heckeにならいその点での双曲的フーリエ展開を考え,その定数項を取り出す.その値の数値計算と,基本的な性質の証明を行なった.数値計算の示唆する所は非常に興味深く思われ,ディオファンタス近似からの観点からの考察を行なった.
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