研究分担者 |
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80127422)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20204232)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50176161)
松本 圭司 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30229546)
古畑 仁 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (80282036)
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研究概要 |
この研究の目的は大きく分けて2つからなる。1つは,微分式系の概念を通じて微分方程式系を幾何学的(接触幾何学的)に研究することであり,もう1つは,階別単純リー環に附随する幾何構造の研究と,その前者との融合の様子を調べることにある。詳しくは,最初の課題は,微分式系をジェット空間の部分多様体として幾何学的対象ととらえて,接触同値問題を核に微分幾何学および特異点論の手法で研究することにある。第2の課題は,階別単純リー環に附随する幾何構造に対して,田中昇氏によって構成された正規カルタン接続の理論のより詳細な構造解明とその応用および発展を諮ることである。 最終年度である今年度は、二階の接触幾何学におけるSecond Reduction定理を整備した。この定理は、E.Cartanの2ないし3独立変数のInvolutiveな2階1未知関数偏微分方程式系に対する研究を包括するものであり、多独立変数の2階1未知関数偏微分方程式系の表象(シンボル)とそのcovariant systemが、どのような性質を持てば、2段階の「簡約化」が可能となるかを明らかにした。これによって、対象となる偏微分方程式系に、多変数のモンジュ特性系が存在する十分条件を与えた。この理論では、表象代数の自己同型群による独立変数空間の不変部分空間の存在がその出発点となる。この不変部分空間を基に、covariant systemが構成され、このsystemを通じて、この構成で要となるInvolutive Grassmann bundleの部分多様体が定義される。「簡易化定理」の本質は、この部分多様体より、元の偏微分方程式が幾何学的に再構成可能であるための条件を与えることである。このために出発点の不変部分空間が満たすべき条件がモンジュ特性方向の概念となることを示した。
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