研究課題/領域番号 |
19340013
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤原 耕二 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60229078)
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研究分担者 |
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90235507)
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キーワード | 写像類群 / 双曲群 / 交換子距離 / タイヒミュラー空間 |
研究概要 |
交付申請書に記載したとおり、BestvinaとCalegariとの共同研究中心に、幾何学的群論の諸問題に取り組んだ。Calegar氏とは、離散群の交換子距離について研究し、写像類群について満足する結果を得た。また、離散群の上の関数にCombableという概念を定義し、それらの関数について中心極限定理を証明した。これについては、群上の語距離について顕著な応用がある。すなわち、双曲群上の二つの語距離の関係がある正規化のもとに、互いに中心極限定理を満たすことがわかる。これは、離散群の研究の新しい方向性をしめす重要な結果である。Bestvinaとの共同研究では、おもに写像類群とタイヒミュラー空間について研究した。そのなかでいくつかの新しい知見をえた。これらは、タイヒミュラー空間の漸近次元、いわゆるニールセン実現問題の別証明に応用が見込まれる。2007年秋に米国の研究所MSRIで行われた幾何学的群論のプログラムに代表者が参加して、活発な討論や意見交換ができた。期間中に開かれた国際研究集会で招待講演をした。 また、2008年5月に米国ジョンズホプキンス大学の日米数学研究所において、幾何学的群論についての国際研究集会を開催した。19年度から繰り越した補助金で、日本からポスドクを中心とする5人の研究者の参加旅費を拠出した。研究集会では、クライン群や写像類群についての最新の研究成果が多く発表され大変有意義であった。この集会は日本の若手研究者に幾何学的群論の周辺で将来にわたり大きな影響を与えると考える。
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