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2008 年度 実績報告書

複素多様体の退化族における多重標準束と乗数イデアル層の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19340014
研究機関東京大学

研究代表者

高山 茂晴  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (20284333)

キーワード幾何学 / 多重標準束 / 乗数イデアル層 / 退化族
研究概要

固有ケーラー射f:X→YとX上の中野半正なエルミートベクトル束(E, h)に対して,高次順層F=R^qf_*K_〔X/Y〕(E)の正値性について,これまでに得た結果をより一般化するような研究を行った.以下,記述があまり技術的にならないようにFは局所自由であると仮定する. X のケーラー形式 w を一つ固定する. p:P(F)→YをFに付随した射影空間束とし, L=0(1)を普遍商直線束とする.自然な全射 p^*F → L がある. fはザリスキー開集合Y-Dの上では滑らかとする.前年度の研究から Y-D上ではFはwとhに関するホッジ計量gにより中野半正である. Y-DにおいてはLにp^*gの商エルミート計量g_L^oを入れる.これは半正の曲率をもつ.主結果は,このg_L^oが曲率が半正を保ったままで L 全体の特異エルミート計量 g_Lに拡張できる,というものである.
関連する結果が代数幾何において知られている.今年度の研究の独創的な点は,これまでの代数幾何的証明との違いにある.以下その違いについて述べる.代数幾何的証明ではホッジ構造の変形理論が鍵である.従って,ベクトル束 E とのテンソル積は一般には考えられない,もしくは E が自明な場合に帰着できる設定でないといけない.一方,この研究ではホッジ構造の変形理論は用いない.さらに E が自明な場合に帰着できない設定でもよい.さらにF=R^qf_*K_〔X/Y〕(E)の半正値性はより具体的な,標準的に構成されるホッジ計量gにより与えられている.代数幾何的証明では抽象的な半正値性のみである.この結果を海外研究協力者のMourougane氏との共著としてまとめた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] On the uniruledness of stable base loci2008

    • 著者名/発表者名
      高山茂晴
    • 雑誌名

      J. Differential Geom. 78

      ページ: 521-541

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On uniruled degenerations of algebraic varieties with trivial canonical divisor2008

    • 著者名/発表者名
      高山茂晴
    • 雑誌名

      Math. Z. 259

      ページ: 487-501

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hodge metrics and the curvature of higher direct images2008

    • 著者名/発表者名
      高山茂晴-Mourougane Ch.
    • 雑誌名

      Ann. Sci. Ecole Norm. Sup. 41

      ページ: 905-924

    • 査読あり
  • [学会発表] 高次順像層のホッジ計量について2009

    • 著者名/発表者名
      高山茂晴
    • 学会等名
      日本数学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2009-03-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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