研究概要 |
f:X→Tを複素多様体間の固有正則写像で,代数的またはKaehler的と仮定する.原点0以外ではfは滑らかとし,中心ファイバーX_0=f^{-1}(0)は多様体X_t=f^{-1}(t)の退化とみなす.X_0以外の各X_t,またはfが滑らかな所では,多重標準系|mK|の有界性,順像層f_^*Kの半正値性などの良い性質が知られている.本研究の目的は,(1)解析的:写像fが滑らかな所のX_tのいわゆるホッジ計量のt=0の近くでの退化または発散の様子を記述すること,(2)幾何的:そのホッジ計量の退化の様子が多様体X_tの退化とどのように関係しているかを記述すること,そして(3)代数的:それらが組(X,X_0)の乗数イデアル層とどのように関係しているのかを記述することである.これら各方面からの考察を総合してf:X→Tの大域的な構造を決定できるようにする.
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