研究課題/領域番号 |
19340022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
磯 祐介 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70203065)
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研究分担者 |
西村 直志 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90127118)
山本 裕 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70115963)
杉本 直三 京都大学, 医学研究科, 教授 (20196752)
藤原 宏志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00362583)
今井 仁司 徳島大学, ソンオテクノサイエンス研究部, 教授 (80203298)
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キーワード | 応用数学 / 数値解析 / 多倍長数値計算 / 応用解析学 / 逆問題解析 / 非適切問題解析 / 高精度シミュレーション / 逆Laplace変換 |
研究概要 |
多倍長数値計算環境を21世紀の新しい数値計算環境の1つと考えてその構築を目指し、任意桁数の浮動小数点計算を高速に実行できる環境の整備を行い、この環境を利用した科学技術計算の充実を図っている。平成21年度は平成19年度および平成20年度の研究を引き継ぎ、代表者・分担者による多倍長数値計算環境の開発研究の一層の向上を図ると共に、非適切問題の数値計算例の蓄積を図った。本課題研究で継続的に開発している高速多倍長数値計算環境exflibは、その高速性を保つために、コンピュータ内に実装されている計算チップの処理プロセスも考慮した設計となっている。このため、新たな仕様の計算チップが発表される毎にプログラムの最適化を図って高速化させることが必要であり、この開発研究について平成21年度も成果を挙げた。数値計算面では逆Laplace変換のrealでの実現及びその数値計算の研究を深化させ、先行研究では困難と考えられていた悪条件問題に取り組み、成果を挙げた。この成果により、多倍長数値計算環境下ではLaplace変換のreal inversionが実用のレベルで可能であることが確認された。また過去の数値計算例の数学的正当化の基礎研究として、Banachスケール上の差分法の理論を構築した。更に研究協力者により多項式の非線型項をもつ流体方程式の数値計算にexflibを用いて4倍精度数値計算との比較検討が行なわれ、exflibの優位性が実証されるに至った。
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