研究概要 |
本研究では調和解析学,及びその多次元信号処理への応用について研究を行った.研究代表者の新井仁之の主な成果は次のものである.方位選択性をもち,完全再構成性をみたし,低階から高階のガウス導関数と類似の形状を有する新しいフレームレットを構成し,さらにそれを用いた円形的幾何的フィルタリングを考案して,研究代表者らが発見したフラクタル螺旋錯視のフレームレット解析を行った.これによりフラクタル螺旋錯視の錯視成分を特定し,それを抽出することに成功した.円形的幾何的フィルタリングは大脳皮質V4野の視覚情報処理と関連していると考えられる.なお以上の成果は新井しのぶとの共同研究による.また,この他にも研究代表者はフレームの理論的研究を行い,多次元かつ一般のサンプリング行列に関するポリフェーズ行列とフレーム作用素に関する結果も得た.なおフラクタル螺旋錯視の錯視成分の抽出に関する結果は,科研費NEWS(2009年1号)でも取り上げられた:http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/31_result/rikou/37_arai.html
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