研究課題/領域番号 |
19340031
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
太田 泰広 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10213745)
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研究分担者 |
野海 正俊 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 教授 (80164672)
山田 泰彦 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00202383)
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キーワード | ソリトン / 双線形形式 / 離散KdV方程式 / 戸田格子 / 非線形Schrodinger方程式 |
研究概要 |
1.非自律非線形可積分系において、1+1次元系の場合には2+1次元系とは異なり、自律系と本質的に異なる双線形形式を考える必要がある。離散KdV方程式、離散時間戸田格子、離散Lotka-Volterra方程式を例として、1+1次元への簡約と非自律化が両立する構造を議論し、双線形方程式における自律系と非自律系の相違を明らかにするとともに、Casorati行列式解を具体的に構成した。 2.離散結合型非線形Schrodinger方程式において、双線形形式の理論を用いることによって、様々なタイプのソリトン解を構成することに成功した。連続結合型方程式の場合や離散単独方程式の場合と異なり、離散結合型の場合には、解空間の構造が本質的に異なり、ソリトン解はPfaffianを用いて表現される。集束-集束型および非集束-非集束型の場合に対して、それぞれ明-明型および暗-暗型の解を具体的に与えた。特に暗-暗型のソリトン解の場合には、従来にはない双線形方程式の構成法を用い、複雑な簡約条件を適用することによって初めて解を得ることができる。これは本質的に結合型で表される様々な可積分発展方程式系に共通に見られる構造であると予想される。 3.二次元長波短波共鳴相互作用系の可積分な二成分化を考え、物理系からの方程式の導出およびその解空間の代数構造の研究を行った。単純化された場合にこの方程式系は、二層流体の界面波と二つの表面波束の共鳴相互作用を記述する運動方程式と関係づけられる。V字型波などの様々な解が多成分Wronski行列式を用いて具体的に構成された。
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