研究課題/領域番号 |
19340035
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
幸崎 秀樹 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20186612)
|
研究分担者 |
植田 好道 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (00314724)
内山 充 島根大学, 総合理工学部, 教授 (60112273)
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
増田 俊彦 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (60314978)
綿谷 安男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00175077)
|
キーワード | 作用素平均 / ユニタリ不変ノルム / 正定値関数 / 無限分割可能行列 / 作用素凹関数 / majorization理論 |
研究概要 |
数年前研究代表者は研究分担者日合氏「(東北大)と共同研究を行い、作用素平均の一般論を構築し、Springerレクチャーノートとして発表した。この理論では、スカラーに対するある種平均と作用素平均が1対1に対応している。また、この作用素平均のユニタリ不変ノルム比較の為には、対応するスカラー平均のある種の比として決まる関数の正定値性或いは関連する行列の正値性のチェックが必要となる。 研究代表者は海外研究協力者R.Bhatia氏と共同研究を行い、このようにして現れるかなり広いクラスの行列に対して、正値性ばかりかずっと強い性質である無限分割可能性(infinite divisibility)が実は成立していることを示した。これにより、作用素平均のノルム比較の研究が大きく前進した。正値性より強い無限分割可能性が作用素平均の言葉では何を意味するのかは今のところ不明であるが、これは新たに派生した興味深い研究課題であり、今後の解明が望まれる。 10年ほど前に安藤毅氏(元北大)-X.Zhanは正作用素(あるいは行列)を作用素凹関数に代入して得られる作用素(すなわちfunctional calculus)の固有値分布(正確にはmajorization理論で重要な特異値の部分和)に関する劣加法性を示したが、同様な劣加法性が通常の凹関数に対しても成立することが近年T.Kosemにより示され注目を浴びている。研究分担者内山氏(島根大)はJ.C.Bourin氏と共同研究として、証明の簡素化とともに結論の一般化を行った。
|