研究課題/領域番号 |
19340041
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
木村 弘信 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40161575)
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研究分担者 |
原岡 喜重 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30208665)
田邊 晋 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90432997)
岩崎 克則 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00176538)
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
川向 洋之 三重大学, 教育学部, 准教授 (00303719)
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キーワード | Yang-Mills / Schlesinger系 / 可積分系 / middle convolution / monodromy 保存変形 / Painleve equation / twistor理論 |
研究概要 |
本研究は、twistor理論を用いてYang-Mills方程式の特別な場合としてのモノドロミー保存変形で記述される非線形微分方程式達をできるだけ統一的な視点から理解することを目標としている。今年度はtwistor理論との関連というより、これらの非線形微分方程式についての理解を深める研究を行った。 1,射影直線上のSchlesinger型のFuchs型微分方程式のモノドロミー保存変形族に、middle convolutionとadditionという操作を行うと、再びSchlesinger型のモノドロミー保存変形族が得られることを示した。VI型パンルヴェ方程式は2階連立で4個の確特異点をもつSchlesinger型のモノドロミー保存族を記述する方程式であるが、この対称性を記述する双有理変換からなるアファインワイル群の生成元のひとつがmiddle convolutionから得られることが示された。 2,パンルヴェVI型方程式の場合、モノドロミー保存変形族のモノドロミー表現は、1次元射影空間から4点を除いた空間の基本群の2次元線形表現である。それらを記述する指標多様体上の写像類群作用の力学系とパンルヴェ方程式の力学系をリーマン・ヒルベルト対応を介して結びつけ、それらの大域挙動を研究した。特に前者の有限軌道と後者の代数関数解の等価性を示し、さらにそれらの分類問題にかなりの進展を得た。 3,動く特異点として極のみを持つ場合方程式はパンルヴェ性を持つという、その条件を緩めたものを準パンルヴェ性という。準パンヴェ性をもつ方程式のクラスでI型パンルヴェ方程式を含むものを見出し、その解析的性質を調べた。またI型パンルヴェ方程式のタイプの2変数Garnier 系についてその特異集合のまわりでの漸近解をもとめた。
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