研究課題
従来開発してきた装置を用いて、2007年5月飛騨天文台で観測を実施し、装置が有効に動作することを確認した。この装置では、従来所有していた19chピエゾタイプの可変形鏡を用いていたが、特に光学的な結像性能があまり高くなく、観測される像質があまり良くないことがわかった。これらの成果・知見については、論文および学会発表によって公表した。52ch電磁タイプの可変形鏡を購入し、その特性調査を行った。従来の可変形鏡に比較して、ストレール比で2倍以上の改善ができることがわかった。また、この可変形鏡を用いた光学系を設計し、装置の開発を行った。2007年11月に開発した装置を飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡に設置し、観測を行った。ただし、主に天候上の理由で有効性を確認するには至っていない。また、波面センシングに用いているマイクロレンズアレイの収差がかなり大きく、黒点を参照パターンに用いている場合には問題ないが、粒状斑などの比較的コントラストが低いパターンの場合には波面センシングができないことがわかった。より高性能な素子が必要である。これと並行して、Multi-conjugate用波面センサーの開発を行った。波面センサー用の光学系は完成しており、2008年3月これを飛騨天文台に持ち込んで、実際に観測を行い、Multi-conjugate波面センシング用実験データを取得した。これによって、Multi-conjugate波面センシング用ソフトウェアの開発を行うことができるようになった。次年度に向けてソフトウェアの開発を行っているところである。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
Publ. Astron. Soc. Pac. 120
ページ: 348-357
Optical Review 14
ページ: 159-160