研究課題
表題の研究を進めるため、必要な2次元同時分光偏光観測装置の開発、基礎実験を行った。装置はマイクロレンズアレイにより像を2次元分割し、その瞳像をスリットとする2次元分光装置である。これに偏光解析装置を付加することで磁場の導出を可能とするものである。平成19年度は、磁場感度の高い鉄の波長630.25nmでの偏光観測を行うため、装置の光学設計を行い、必要なマイクロレンズアレイ、CCDカメラ(4000×4000画素)、結像用望遠鏡、バンドパスフィルター、偏光板、制御用PCなどを購入し、それぞれの性能評価及び制御用ソフトの開発を行った。予備実験として、乗鞍コロナ観測所で、コロナ輝線の2次元スリットスキャン観測を太陽観測衛星「ひので」の観測領域と同じ領域で行い、「ひので」極端紫外線分光撮像装置の分光性能較正を行い、コロナ活動現象の物理状態について貴重な情報を得た。また、シーイング条件が良く像補正装置が使える米国立太陽天文台の観測時間をもらい、ファブリ-ペロー・フィルターによる2次元擬似同時分光観測を太陽縁での彩層スピキュールについて実施した。水素Hα線プロファイルを2次元的に得ることができ、「ひので」のCaII-H観測で発見されたスピキュールの双子構造が、Hα線翼部の特定波長で見えることを発見した。開発中の2次元同時分光偏光装置の威力が期待できる結果を得た。
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http://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/index.html