研究課題
太陽彩層で起こるダイナミックな現象(ジェットや加熱など)の起源を解明するため、地上観測と衛星観測の利点を生かした共同観測を進めている。彩層ダイナミック現象は10秒以下の時間で大きく変化するため、現象の正確な物理量導出のため、2次元同時分光偏光観測装置を開発している。本装置をシーイング条件が良く像補正装置が使える米国立太陽天文台などで実施するとダイナミック現象解明のための画期的な観測データ取得が期待できる。前年度は装置の本体となるマイクロレンズアレイにより像を2次元分割し、分光データを取得した。本年度はこれに偏光解析装置を付加し磁場導出を可能とするため、2種類の可変液晶リターダーを設計、購入し性能評価を行った。これを分光器の前に置くことで、位置ずれを起こすことなく複数の直交偏光成分をすばやく取得できるため、精度良い磁場導出を2次元同時に行うことが可能となる。液晶の偏光較正がまだで本観測は行えていないが予備観測として、2次元分光と太陽観測衛星「ひので」の同時観測を実施し彩層ジェット現象では見掛けだけでなく実際に上昇運動が卓越していることを2次元ドップラー速度の時間変化により示すことができた。また、視線方向磁場、1万度及び10万度のスペクトル線による視線速度2次元同時観測により、磁場変化とジェット出現、低温・高温ダイナミック現象の間で相関がほとんどないことがわかってきた。より詳細な観測と結果の解釈が今後の課題である。
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