研究概要 |
大強度重陽子ビーム照射装置を用いて、液体Li標的を対象に^6Li(d,α)^4Re反応の、反応収量の入射エネルギー依存性を、標的温度490K,530K,570K及び600Kの4点で測定した。予備的な解析の結果から、各温度における遮蔽ポテンシャルの値が得られた。遮蔽ポテンシャルは、温度とともに単調に減少する傾向を示し、540eVから440eVと変化することが判った。この傾向は、単純なデバイ模型が予想する温度依存性とは定性的に一致する。液体金属を低温高密度プラズマとして扱えることの可能性を検討するため、より詳細な解析が進行中である。 液体金属+超音波キャビテーションを標的とする核反応実験研究を可能とするため、専用の標的真空槽を製作・設置した。これまで液体金属標的として使用してきた液体Liを用いて、超音波キャビテーションを得ることに成功した。引き続き、重陽子ビームを照射し、^6Li(d,α)^4He反応とD(d,p)T反応が調べられた。超音波キャビテーション効果は、後者の反応において顕著であることが判明した。予備的な解析が進められ、その結果、超音波キャビテーション中の重陽子は、100万度Kもの高温ガス状態となっている可能性が指摘された。
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