研究課題
1) 通常プラスチックシンチレータ板(18cm×18cm×2mm)、Gd板、薄い鉛板を重ねたものを1センサーユニットとして、これを50ユニット積み重ね、発生した光を5インチ光電子増倍管で捕らえるプロトタイプニュートリノ検出器モジュールを2個製作した。これらの検出器モジュールに対して、ニュートリノ反応事象に類似した信号を出すことができるAm241-Be線源を用いて疑似ニュートリノ反応(α+Be→n+^<12>C^*, ^<12>C^*→γ+^<12>C)事象測定のベンチテストを行った。遅延同時計数を行うことができる VME を用いたデータ取得システムを作り、測定を行った。疑似ニュートリノ反応のプロンプト信号、遅延信号を捕らえることができた。取得したデータからこの検出器の中性子検出効率が約1%と求まった。2) 通常プラスチックシンチレータの表面に波長変換ファイバーを埋め込んだものを作り、これとGd板、薄い鉛板を重ねたものを1センサーユニットとして、これを50ユニット積み重ねて1つのプロトタイプニュートリノ検出器モジュールとし、これを2個製作した。これについても、 Am241-Be 線源を用いた疑似ニュートリノ反応のベンチテストを行った。線源による疑似ニュートリノ反応に対して、プラスチックシンチレータで発生した光は、波長変換ファイバーを通して、光電子増倍管で読み出された。光電子増倍管で捕らえた光量が1) の場合の10分の1程度になったが、疑似ニュートリノ反応の信号を捕らえることはできた。3) プロトタイプニュートリノ検出器モジュールについて、シンチレータの分割構造や鉛板の厚さの最適値、原子炉ニュートリノを実際に検出するために必要な検出器モジュール数などを知るためにGeant4を用いたシミュレーションを行った。
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Proceedings of the 10th SPVM National Physics Conference and Workshop St. Louis Univ., Baguio City, Philippines
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