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2009 年度 実績報告書

マイクロ重力レンズ効果を利用した暗天体と太陽系外小型惑星の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19340058
研究機関甲南大学

研究代表者

村木 綏  甲南大学, 理工学部, 教授 (70013430)

キーワード系外惑星 / ブラックスター / ダークマター / 重力レンズ効果 / 褐色矮星 / CCDカメラ / 大マゼラン雲 / スノーライン
研究概要

MOAグループはニュージーランドの南島のテカポに日本の科研費特別推進研究費で設置した口径1.8m望遠鏡と80メガピクセルを有する大型CCDカメラを駆使して、南天の銀河中心部と大マゼラン星雲を対象に毎晩1億個の星のサーベー観測を実施している。研究の目的は宇宙に存在するブラックスター(暗天体)と系外惑星を見つけることである。今年度のサーベー観測の結果得られた主な成果は次のとおりである。
まず重力レンズ効果で増光した星が563イベント見つかった。次にそれらのイベントの内、レンズ天体が二重星によって増光したイベントは14例以上あり、そのうち主星が太陽のように燃えている星で伴星が燃えていない褐色倭星を伴った二重星のイベントが2例、伴星が軽い惑星と思われるイベントが2例見つかった。後者のうらMOA-2009-BLG-319と名付けられたイベントは主星と伴星の質量比が4x10^-4で、もう一例のMOA-2009-BLG-266は5X10^-5であった。前者のイベントは名古屋大学の大学院生により、後者のイベントは韓国のハン教授により精力的に解析されている。
特にイベントMOA-2009-BLG-266は重力レンズ効果で見つかった惑星の中では最も軽い質量を有しており、その質量は海王星にほぼ等しく、主星から3.5AU離れた位置に存在していることも解析の結果得られた。このようなsnow lineを越えて海王星と等しい軽い惑星を見つかったのはおそらく我々が世界で最初である。
なお甲南大学のグループは同時に大量に撮像されている、太陽系内小惑星の解析を行った。その結果MOA望遠鏡の小惑星の限界等級は20等星であることがわかった。今後の1.8mMOA望遠鏡を使用し小惑星研究やカイパーベルト天体を研究するための基礎データが得られた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A Cold Neptune Mass Planet OGLE-2007-BLG-368Lb : Cold Neptune are common2010

    • 著者名/発表者名
      T.Sumi, et al
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 740

      ページ: 1641-1653

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sub-Saturn Planet MOA-2008-BLG-310Lb : likely to be in the Galactic Bulge2010

    • 著者名/発表者名
      Julia Janczak, et al
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 711

      ページ: 731-743

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Most Energetic Solar Flares : Detection of Solar Neutrons and Solar Cosmic rays2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Muraki
    • 雑誌名

      Nuclear Physics B 196

      ページ: 267-272

  • [学会発表] 1.8m MOAII望遠鏡を用いた太陽系内小惑星の探索2010

    • 著者名/発表者名
      中尾俊作, 他MOAグループ
    • 学会等名
      日本天文学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2010-03-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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