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2008 年度 実績報告書

原子過程を用いたニュートリノ質量の測定法開発

研究課題

研究課題/領域番号 19340060
研究機関京都大学

研究代表者

笹尾 登  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10115850)

研究分担者 南條 創  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40419445)
キーワードニュートリノ質量 / マヨラナ粒子 / リドベルグ原子 / レーザー / マクロコヒーランス
研究概要

一連のニュートリノ振動実験によりニュートリノは質量を有することが判明した。ただし、これらの実験においては質量の二乗差が測定され、その絶対値を決定することはできない。ニュートリノの絶対質量や型式(ディラック型vsマヨナラ型)を確定することは標準模型を超える素粒子物理学において本質的重要性を持つ。本研究は、原子過程を用いたニュートリノ質量の測定法を開発することにある。本研究では、全く新しい原理「マクロコヒーラント増幅機構」を用いた原子からのニュートリノ対放射を考案し、これによる質量分光を提案した。この方法は、原子準位のエネルギースケールが対象とする質量スケールと同程度あり、原理的に小質量に感度が良いこと、同種粒子効果を使いマヨナラ型かディラック型かを決定することが可能な事、宇宙背景ニュートリノ観測に道を拓く可能性がある事などの特徴を持つ。更に提案した方法にとり原理検証実験を明確し、その基礎を構築した。即ち、Rb原子の超放射を観測すること、及び、二光子超放射実験に不可欠なBa原子の準安定状態を生成することに成功した。前者において超放射であることの確認は、(i)遅延時間が自然寿命(51.3nsec)とは異なること、(ii)逆にパルスの大きさと遅延時間の相関が超放射の理論通りであること、(iii)放射角分布(超前方及び超後方に集中)等による。後者においては、基底状態にある原子を554nmレーザーを用い6s6plP1に励起し、そこから自然放射または誘導放射を使って、準安定状態である6s5d1D2を生成した。更にニュートリノ対生成実験に適したXe原子をマトリックス中に埋め込むことを可能とした。以上により「ニュートリノ質量分光学」の基礎を構築した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Toward CP-Even Neutrino Beam2008

    • 著者名/発表者名
      A. Fukumi, I. Nakano, H. Nanjo, N. Sasao, S. Sato, M. Yoshimura
    • 雑誌名

      J. Phys. Soc. Jpn. 78

      ページ: 013201-013204

    • 査読あり
  • [学会発表] マクロコヒーランス増幅機構を用いたニュートリノ質量分光(I)-二光子および一光子+ニュートリノ対放射の理論-2008

    • 著者名/発表者名
      笹尾登, 南條創, 吉村太彦, 他
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2008-09-23
  • [学会発表] マクロコヒーランス増幅機構を用いたニュートリノ質量分光(II)-気体セルを用いた超放射の基礎研究-2008

    • 著者名/発表者名
      南條創, 笹尾登, 吉村太彦, 他
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2008-09-23
  • [学会発表] ママクロコヒーランス増幅機構を用いたニュートリノ質量分光(III)-コピーランド標的の基礎研究-2008

    • 著者名/発表者名
      福見敦, 笹尾登, 南條創, 吉村太彦, 他
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2008-09-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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