研究課題
昨年度に引き続き、レーザーフォトカソードRFガンから得られる電子ビームの大出力化を目指した研究を推進した。具体的には、既存のNd:YLFシードレーザーを我々が新規に開発し設置したマルチパルス再生増幅器に導入し、1Rレーザーのマルチパルス増幅システムをの設計・開発を行い、その基礎試験を行った。ここで得られた1Rマルチパルスレーザーを更に非線形光学結晶に導き、20パルスの大出力第二高調波の生成に成功した。現在更にこれら第二高調波を第四高調波へ変換するための光学系の最適化を進めている。一方、新規に導入したGs-Teフォトカソードから得られる電子ビーム生成の量子効率を最大限活かすためのレーザー入射位相制御法についても、その基礎を確立する事ができた。一方、X線による2次元画像取得のために必要な検出システム開発も進めた。まずX線集光光学系については、軟X線の集光を最大にするためのキノホルム型ゾーンプレートの設計と電子線描画装置によるパターン作成を実施し、素子開発に目処をつけることができた。また、2次元画像パターンを精度良く得るために、高感度のUVレジストの解像度評価及び感度評価を実施するとともに、より少ないX線量で感光が可能なように、プレ照射法という新規の感度増強に関する手法もほぼ確立する事ができた。これらの研究の進展により次年度に実施する高輝度軟X線生成とそれを用いた2次元画像取得への基礎を確立する事ができた。
すべて 2008
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Radiation Physics and Chemistry Issue 10-12, Vol. 77
ページ: 1136-1141