研究課題/領域番号 |
19340068
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
宇野 彰二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (70183019)
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研究分担者 |
田中 真伸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (00222117)
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キーワード | 量子ビーム / 放射線、X線、粒子線 / 中性子構造生物学 / 高密度実装 / 2次元画像 / 放射線検出器 / 両面フレキシブル基板 / 高速データ転送 |
研究概要 |
中性子を検出するために、GEM(両面フレキシブル基板に多数の穴を開けたもの)に塗布しているボロンの厚みを0.6μmから1.2μmにすることによって、検出効率がGEM1枚当り約2倍になることを確かめた。また、このボロンGEM(10cmx10cm)を4枚まで積層することによって、さらに検出効率を上げることに成功した。読み出し基板上のストリップピッチを1.6mmから0.8mmにすることによって、より細かな画像データが収集できるようにした。これに対応するために新しい集積回路を用いて、読み出しチャンネル数が増加したにもかかわらず、測定器全体として、コンパクトな構造を実現した。また、プログラミング可能な集積回路を用いることによって、CPUを介さずにデータ転送可能なシステムを製作した。これらの機能をもった試作機を日本原子力科学開発機構の研究原子炉から出る中性子を利用して、性能評価試験を行った。その結果として、2.2Åの熱中性子に対して、検出効率が30%で、位置分解能が1mm(半値幅)の性能を得た。また、きれいな2次元画像データを得ると同時に、食塩結晶などのサンプルを用いた散乱実験でも、きれいな散乱パターンを確認することができた。また、40msecの長い時間にわたって、10nsecの精度で時間情報を記録できた。これらを通して、このシステムを使えば、J-PARCのパルス中性子源を用いた物性実験に対応できることを実証した。
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