研究課題/領域番号 |
19340068
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
宇野 彰二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (70183019)
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研究分担者 |
田中 真伸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (00222117)
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キーワード | 量子ビーム / 放射線、X線、粒子線 / 中性子構造生物学 / 高密度実装 / 2次元画像 / 放射線検出器 / 両面フレキシブル基板 / 高速データ転送 |
研究概要 |
19年度の研究により、熱(冷)中性子を固体ボロンで荷電粒子に変換してから、GEMを利用して電気信号として検出することが可能であることがわかった。そこで、20年度は、検出器の性能をより向上させるための研究を行った。改良されたASICチップを用いることによって、場所ごとに検出効率が違うという問題を解決することができ、実用上問題ないレベルまでになった。テフロン読み出し基板を利用することによって、水素による散乱割合を10分の1程度まで低減することができた。しかし、残念ながら、ボロンを厚く付加することが難しく、検出効率を上げることができなかった。来年度は、別の方法を試みる。年度末には、J-PARCが稼働をはじめたので、パルス中性子源を使ってのビームテストを行った。そこで、これまでのヘリウムー3の検出器と同様な波長スペクトラムを得ることができることを示した。これによって、精密な2次元位置情報(1mm程度の2次元位置分解能)と波長(飛行時間で10nsec程度の時間分解能)を同時に測定可能で、しかも、高計数率(1MHz)に耐えられる検出器であることを示した。これまでよりも大型の20cm×20cmのGEMの製作を試みて、テストが始められた。その成果は、21年度に期待できる。
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