研究課題/領域番号 |
19340070
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
吉村 浩司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (50272464)
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研究分担者 |
長谷川 雅也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 教授 (60435617)
稘田 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (30199658)
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キーワード | BESS / 南極周回飛翔 / 一次宇宙線 / 気球実験 / 太陽活動 / 太陽風 / 太陽フレア / ガスコントロール |
研究概要 |
本研究では、大面積立体角を持ち高精度に宇宙線流束を測定することができるBESS-Polar測定器に改良を施し長時間飛翔観測(〜20日)を行うことにより、一次宇宙線(陽子、ヘリウム)の日々単位の時間変動を精度よく測定して、太陽活動の短期過渡的な事象(27日自転周期、太陽フレアー、コロナ質量放出等)による一次宇宙線の変調を精度よくとらえ、宇宙線の太陽変調め理解遊深めるととを目的としている。 平成19年度には、上記目的のために測定器に以下の改良を施した。 1)飛跡検出用ドリフトチェンバーのガスコントロールシステムの開発・搭載 温度、圧力の影響を受けやすいガスチェンバーを安定に動作させるために、新たなガスコントロールシステムを開発した。従来から行われていたガス流入量制御に加えて、ガス放出系に背圧制御弁を入れることにより、圧力をきめ細かく制御することができた。 2)外気圧の精密測定 低エネルギー宇宙線は残留大気によるエネルギー損失や原子核衝突により大きな変調を受ける。この影響を精度よく捉えるために、残留大気圧を精度よくモニタする必要がある。高精度圧力センサーを温度計とともに熱遮蔽を施して複数台搭載した。実験に先駆けて実験環境を模擬した環境での校正をおこなうことにより、高精度の大気圧測定が可能になった。 3)モニタおよびコマンド系の改良 以上の変更に対応できるようにモニター、およびコマンドシステムを改良した。特にガス関係のトラブルに対処できるようにコマンドで設定値を変更できるようにした。 これらの改良を施した後、平成19年12月から平成20年1月にけて、BESS-Polar測定器を気球により南極上空を周回飛翔させ約24.5日間のデータを取得することに成功した。約47億の宇宙線事象を観測し、合計13.5テラバイトのテータをハードディスクに記録した。データは実験終了後回収され,データ解析を開始したところである。
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