研究概要 |
半減期測定:革新的なアイディアに基づいた半減期一括測定装置(CAITEN)を完成させた。駆動型円筒型シンチレーター(回転・上下移動)と位置検出型光電子増倍管を組み合わせ、β線を高速・効率的に計測可能とする。β線源を利用しその性能評価を行った。要となる位置検出性能は、3.8mmと非常に良い分解能、(10^5個のピクセル相当)を確認した。また、毎秒千個以上の多種混在した不安定核の半減期一括測定を行うために、高速・多重ヒット用VMEシステムを導入した。β・γ分光:両面ストリップ型半導体検出器を利用した高エネルギー分解能β・γ分光装置の開発を行った。高分解能・低ノイズ増幅回路と半導体検出器の冷却(-25°)により15keVの非常に低いエネルギーβ線、X線の検出を可能とした。また、質量数A>100以上の不安定核のエネルギー測定を実現するために10^5のダイナミックレンジ(10keV〜5GeV)を特長とする並列型読み出し回路を完成させた。重イオンビームを利用したテスト実験によりその動作を確認した。また、不安定核を半導体に埋め込み、ベータ崩壊測定のテスト実験を行った。データ解析の結果、十分な検出性能を持つことを確認した。半導体検出器の周囲に高純度ゲルマニウム検出器を設置可能とした。自動液体窒素補給装置と液体窒素補給用タンクを導入し、効率的なγ線検出を実現した。さらに高速フラッシュADCを利用したγ線測定を開始し、短寿命アイソマー探索を検討している。中性子放出確率:具体的な中性子検出器の条件電を確定した。実験準備状況:RIBF施設において大強度ビーム(^<238>U,^<48>Ca)を利用した実験を行った。想定している中性子過剰核領域(^<78>Ni,^<110>Zr)において高精度β・γ分光が可能であることを確認できた。2009年秋の本番実験に向けて装置・解析ソフトを準備している。米国・LBNL、独・ミュンヘン大学との国際協力を開始した。
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